食中毒の恐怖
食品の安全が保障されない時代というのが、2000年代後半を象徴する表現かと思います。
消費期限が切れた物を、普通の期限内の商品として出される。
海外から輸入した商品を、国内の商品と偽って店頭に並べる。
こういった問題がようやく明るみになりましたが、恐らくはもっと前から日常的に行われていたのでしょう。
このような問題の一番の悪影響は、子供やお年寄りが食中毒で命を落としかねないということです。
強力な毒でも入っていない限り、成人した大人は死ぬということはないかもしれませんが、免疫力の低い子供やお年よりは別です。
食品偽装によって農薬が混入した商品を食べ、意識不明の重体に陥った餃子事件のように、死者が出ても一向におかしくない問題なのです。
食中毒について、いくつか検証してみましょう。
食品の安全を考える上で、食中毒とはすなわち最悪の事態です。
食品の安全を確保する為には、食中毒を絶対に起こさない事が大前提です。
つまり、消費期限の切れた食品を食べたり、農薬が混入されている可能性のある商品を売るというのは、その最低限のことすら守れていないことになります。
食中毒には、細菌性のもの、ウイルス性のもの、科学性のもの、自然性のものがあります。
食品の偽装によって起こりうる食中毒は、細菌性と化学性食中毒がほとんどです。
これらの食中毒は、症状によっては死につながります。
それくらい危険なものだというのを、諸外国であったり、一部の日本人が理解していない事こそ、最大の問題点と言えるでしょう。
食品の安全が完全に確保できなくなっている現代。
このままだと、未来はどうなってしまうのでしょう。
まず、冷凍食品の市場がかなり痛手を負っていますが、この流れは更に加速する可能性が高いと言えます。
冷凍食品は、どうしても食品の安全上グレーゾーンが多く、問題が起こる可能性が高い商品です。
簡単に言ってしまえば、凍らせる事でごまかせる部分がたくさんあるからです。
まじめに作っているほとんどのメーカーにとっては、あまりにも悲しい現実ではありますが、かなり厳しい立場にいると言わざるを得ないでしょう。
冷凍食品が日本から消える可能性は、ないとは言い切れません。
ですが、一方で安価な冷凍食品を望む声は今もなお根強く残っています。
改善は難しいかもしれません。
同様に、スーパーなどのお惣菜コーナーもかなり厳しくなってきます。
すでに賞味期限の切れた物を売る為の方法として行っているのではないか、という疑いの目が向けられているからです。
こうなると、売り上げにも響きますし、その惣菜をおいているというだけでスーパー全体が悪い目で見られる可能性もあります。
とはいえ、弁当や惣菜をスーパーで購入する人は依然として多いことから、今後消えるという可能性もかなり薄いといえるでしょう。
加えて、産地に関しても、表記は徹底されていくでしょう。
すべての商品に詳しい産地が表記するのはかなり難しいので、バーコードにその情報を取り入れ、レシートに出力される、などの方式が取られる可能性があります。
長々と続くレシートを延々と見ていくことになるでしょう。
あるいは、携帯で見ることができるようなシステムが作られるかもしれません。
こう考えると、食品の安全の未来はなんとなく見えてきます。
変わるのは消費者への負担で、体質自体はさほど変化がないという可能性が高いです。
食品の安全とは、そういう問題です。
ですから、国に守ってもらおう、メーカーを信用しようと思わず、自分で判断していくという流れになっていくでしょうし、それが一番自分と家族を守る最適な手段なのかもしれません。
2008年12月 2日|
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産地の偽装問題
食品の安全を脅かす偽装問題ですが、それにはいくつかの種類があります。
まず、産地の偽装です。
簡単に言えば、実際に食材を作ったり加工したりした場所とは違う場所を、原産地として記入表示することです。
いわゆる詐欺ですね。
この詐欺行為ですが、一見食品の安全を考えた上ではそこまで深刻ではない、と思われがちです。
これを行う動機としてよくあるのが、ウナギや松茸、牛肉のような、産地によって大きな値段の差が生まれるものを、高く買ってもらう為です。
ですから、日本国内のどこかで取れたウナギを静岡産の天然物として売る場合、消費者を騙して金銭を多く徴収するひどい詐欺行為ではあるのですが、安全面ではそれほど問題はないように思えます。
秋田県の比内地鶏の偽装などがこれに該当します。
しかし、この産地の偽装は、実際には食品の安全を大きく妨げる要因となります。
簡単に言えば、中国産などの外国産の商品を、国内産と偽った場合です。
アメリカの牛肉が一時輸入ストップとなった前後、アメリカ産の牛肉を国内のものとして売る偽装が見受けられました。
これは、アメリカの牛肉として売ると、あまり売れないからです。
同様に、米に関しても同じような現象が見られました。
日本国内で作られたからといって100%安全とは限りません。
しかし、外国で作られた食材に、人間の体に極端に悪い物質が含まれている可能性は、国内生産のものよりはるかに高いと言わざるを得ません。
産地の偽装は、そのリスクを避ける為に国内生産の商品を買っている消費者を、危険な目に合わせる可能性が高いという、きわめて悪質なものなのです。
食品の安全を脅かす偽装問題で最も多いケースと言えば、消費期限、賞味期限の偽装です。
赤福も、不二家も、白い恋人も、ダスキンも、この偽装によって事件を起こし、ニュースをにぎわせてしまいました。
消費期限の改ざんは、コストの削減というただ一点に尽きます。
そして同時に、消費期限の改ざんに関しては、小売店レベルでも頻繁に行われています。
消費期限が過ぎてしまった売れ残りの商品、あるいは需要が足りずにそのまま放置された食材に対して、さも切れていないかのように売るというのは、まったく珍しいことではないようです。
一番多いのは、ある程度保存の利く食材の消費期限を偽り、加工して売るというもの。
消費期限はある程度余裕を持って設定されているので、多少オーバーしても問題ないだろうという安直な見方で行うパターンが多いようです。
次に、一度店舗に出した商品が賞味期限切れとなり、それを再び加工して売るというケース。
例えば、魚を売り場に並べたが、賞味期限の日にも売れなかった場合、それを煮物にして消費期限を引き延ばし、惣菜売り場に並べる。
あるいは揚げ物にして並べる。
こういった食品の安全を脅かす例は各地域で普通に見受けられるでしょう。
更には、明らかに期限が切れた商品を一度回収し、表示だけを変えて再出荷する。
このような偽装は、恐らく当たり前のように行われているのでしょう。
これには、消費期限の設定に対して疑心暗鬼となっているといういいわけも通用します。
消費期限が早すぎる物に対しての抵抗という意味合いでこのようなことをしたというメーカーもありました。
そういった事実があるにせよ、偽装などは論外なのですが、消費期限の設定に関しては、もう少しオープンにすべきかと思います。
食品の安全の大きな問題の一つとして、消費期限というものがどのように決まっているか、一般にはわかりづらいという点も確かにあります。
是非明るみにしてほしいものです。
2008年12月 2日|
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中国製品の動向 2008年
中国産の食品の安全が大きな話題を呼んだのは、2008年に発覚した中国製冷凍餃子中毒事件です。
この発端は、千葉県、兵庫県のとある3つの家庭が、中国の食品会社から輸入されている冷凍餃子を食べ、下痢や嘔吐といった中毒症状を訴えたものです。
そのうち、一人の女児が意識不明の重体に陥った事で、報道は加熱していき、販売元のジェイティフーズには大きな批判が寄せられました。
そして調査の結果、冷凍餃子の中から、メタミドホスをはじめとした有機リン系殺虫剤が検出された事を受け、ジェイティフーズは冷凍餃子の回収に当たりました。
問題はこれだけに収まらず、仙台市のみやぎ生協が販売していた「COOP手作り餃子」からも、パラチオン、ジクロルボス、パラチオンメチルといった有機リン系殺虫剤が検出され、いよいよ事件は社会問題、国際問題に発展していきます。
どちらも同じ中国の天洋食品が製造を行っていた事もあり、中国の食品の安全に対してのメディアの反応は過熱していきました。
更に、殺虫剤は包装の外側にも付着していたり、一部の包装に穴が開いているという状況もあって、毒物の混入は外部から行われたという事も判明。
問題は、それが中国国内で行われたものか、輸入された後日本国内で行われたものかという事が焦点となっていきました。
この問題に対し、日本政府は日本国内で混入した可能性が低い事を、いくつかの根拠から表明したものの、中国側は当初両国内で混入した可能性があると発表し、その後日本国内で混入されたという見解を示しました。
しかし根拠はまるでなく、その上で中国政府は日本を暗に批判し、中国国内でもその論調が高まっていきました。
が、2008年8月に、中国国内でも同様の事件が発生。
製造元はやはり天洋食品という事で、それまでの中国の見解が明らかにおかしい事がわかり、中国政府もこれを認め、事態は収拾に向かいました。
食品の安全が大きく損なわれた事件でした。
中国製冷凍餃子中毒事件とその際の中国政府の対応、及び中国人の論調などによって、日本における中国の食品の安全は無いものという認識が植えつけられました。
この後も、中国産の冷凍かつや肉まんに殺虫剤が混入していたり、冷凍のいんげんにジクロルボスが混入されていたなど、中国産の食品に問題が生じるケースは後を絶たなくなりました。
2008年は、食品の安全に対して、日本国内では見直すべきという見解が示されるようになった年と言えます。
中国製冷凍餃子中毒事件の影響で、一時日本国内の冷凍餃子が全く売れなくなりました。
スーパーなどではあまりにも売れない状況から、10円、あるいはそれ以下で販売するというところも多く見られるなど、事件の影響の強さが垣間見える事態になっていました。
それだけ値段を下げても、手に取る人が少なかったといわれています。
現在、中国産の食品、特に冷凍食品に関しては、常に猜疑の目が向けられています。
どのような材料を使っているのかわかったものではない、というのが一般的な通念となってしまったと言えます。
実際、命に関わるような毒物が混入している可能性がある食品を購入しようという人は、いくら安価とはいえあまりいないでしょう。
現時点において、中国産の食品の安全に関して、日本人が大丈夫だと言える環境が整う事は今後無いと推測されます。
冷凍食品は非常に安く、保存も利くという事で人気が高かったのですが、今後はかなり苦戦が強いられる事になるでしょう。
2008年12月 2日|
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中国製品の食品の安全
現在、日本国内では食品の安全に対する意識が大きく変化してきています。
そして、その中にあって、最も関心を寄せている、あるいは目の敵にされているのが、中国製の食品です。
中国から輸入している食品、中国で生産、加工を行っている食品の安全に対し、日本国民全体が懐疑の目で見ています。
実際、あまりにも問題が多すぎました。
2002年から少しずつ表面化してきた中国生産加工食品の安全問題は、2007年に国内の問題が大きく取り上げられるようになった背景もあり、非常に強いバッシングの元で議論される事となりました。
また、中国と日本との確執もこの流れに拍車をかけたと言えるでしょう。
いずれにしても、現在における中国製の食品に対する日本の印象は最悪を通りすぎています。
今や、食べ物として認識する事にすら抵抗があるという人も少なくありません。
こういった状況で、今後中国から輸入した食品に対してのこれまでどおりの売り上げを望むことが容易ではない事は想像に難くなく、冷凍食品をはじめとした安価な食品の人気がかなり落ちているようです。
日本は輸入大国です。
自給率の低さは諸外国と比較しても顕著で、食品における国内の生産量は、輸入量と比較してもかなり低いと言わざるを得ません。
食材にしてもそうですし、加工品にしてもそうです。
安い賃金で働かせて物を作り、高く売る。
こういった体質が蔓延している現状では、中国製の食品の需要が落ちたからと言って、じゃあ変わりに国内で、というのは難しいという事でしょう。
中国製の食品で、日本国内に住んでいる日本人が被害にあった例は、2002年以降徐々に増えてきます。
まず、2002年には、中国産の冷凍ホウレンソウおよび枝豆から基準値を超える残留農薬が検出されました。
翌2003年には、中国産のうなぎ加工品から、合成抗菌剤が検出されました。
これらの事件に関しては、当時日本全体でまだ食品の安全に対する意識が今ほど高まっておらず、国内での事件もそれほど取り沙汰されていなかった為、大きな話題になる事はありませんでした。
しかし2004年、一つの転機ともいえる事件が発生します。
中国国内で発覚した、粉ミルク偽装事件です。
これは、粉ミルクとして発売されていた物において、実は通常含んでいなければならないたんぱく質の半分~10%しか含んでいない物だったということが発覚した事件です。
この偽粉ミルクを飲んでいた幼児が栄養失調を引き起こした事で発覚しました。
この事件は日本でも報道され、中国の食品の安全に関する意識の低さを印象付ける事になります。
2004年には、更に毒入りの春雨、農薬に汚染された漬物などの報道がなされていました。
2005年~2007年にも中国で度々偽装や中毒といった食品の安全を脅かす問題が発覚していましたが、まだ日本国内においての中国産の食品での被害という物は取り上げられていませんでした。
日本において、中国産の食品に対して大きな不安が生まれたのは、2008年に入ってからです。
2008年12月 2日|
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食品の安全を脅かす様々な事件
2004年以降は、様々なメーカーの偽装問題がどんどん明るみになっていきました。
特に有名なのは、不二家、ミートホープ、そして船場吉兆でしょう。
まず不二家です。
ミルキーやケーキなどを製造し、ペコちゃんをマスコットキャラクターとしているお菓子メーカーとして有名ですね。
その不二家が2007年、消費期限切れの原材料を使用していたとして、全ての洋菓子製品を製造販売停止とした事件がありました。
これによって、その後消費期限切れの認識の甘さから来る偽装問題が大きく浮き彫りとなります。
次に、ミートホープの品質表示偽装事件です。
こちらも2007年、北海道加ト吉の商品である「COOP牛肉コロッケ」から、本来入っているはずのない豚肉が検出された、という報道が発端となりました。
加ト吉の原料取り扱いには問題はなく、その原料を作っていたミートホープが「過失」によって混入させたと発表されました。
しかし、実際にはミートホープの取り扱う商品には様々な偽装が施されている事が判明。
牛肉100%のひき肉に豚肉や鶏肉、果てはパンの切れ端まで混入していたり、消費期限切れしていた食材を使用したり、サルモネラ菌が検出されたソーセージを学校給食に納入するなどの悪質極まりない体質が報道され、ミートホープは世間の批判の的となりました。
一方、その後加ト吉にも不正が発覚し、一連の事件は大々的に報道される事となりました。
そして、船場吉兆。
名門の料亭であった船場吉兆でしたが、2007年に賞味期限切れ食材の使用、産地偽装などが発覚し、さらに翌2008年に食べ残し料理の使い回しという暴挙まで発覚。
完全に信頼を失ったことで、廃業を余儀なくされました。
一連の偽装問題から、食品の安全は完全に崩壊したと言えます。
今、日本では食品の安全に対して非常に高い関心が寄せられています。
そういう意味では、今のこの時代は食品の安全について国をあげて徹底的に見直す機会と言えるでしょう。
世界的に見た食品の安全に対しての検討と認識は、古代ローマ時代からなされていたようです。
その大元はワインで、市民がワインの味に対してクレームをつけたところ、ワイン製造者が正規の原料以外のものを私用していたことが発覚した、などの例があったようです。
世界的に見ても、こういった偽装や不正は珍しくないようで、ビールやワインなどの偽装は特に頻繁に行われていたようです。
アルコールの入った飲料は、ごまかしやすいという点もあってのことなのでしょう。
ただ、食品の安全に対しての意識は、国によってかなり差異があります。
アメリカと日本の意識の違いは、度々報道されている通りです。
中国に関しても同様でしょう。
ただ、アメリカにしても中国にしても、土地が広大である事、人口が多い事から、国の間でも食の安全に対する意識の差異は生じているようです。
政策として重視して欲しいという声もあれば、騒ぎすぎる、たいした問題ではないという声もあり、国単位での統一はなされにくい環境にあるようです。
ヨーロッパに関しては、前述したとおり、かなり昔から偽装がなされている事もあり、かなり食品の安全を重視しているところが一般的です。
EU諸国では、食品安全システムを構築しようという努力が常に行われており、EUが監視する体制も整えられています。
環境問題により食品の安全に問題が生じる事も多いため、アメリカもそうなのですが、度々社会問題として取り上げられています。
2008年12月 2日|
カテゴリー:00食品の安全はいまどうなっているのか
2000年前後の食品の安全
1996年に連続してO157事件が発生した事で、日本における食品の安全に対し、疑問符が投げかけられるようになりました。
そしてその二年後の1998年、和歌山県でとある地区における夏祭りで、出されたカレーに毒物が混入しているという事件が発生し、4人もの死者が出ました。
これは10年以上経った今でも未だに決着がついていない事件で、既に二度死刑判決が出されているという事からも、非常に大きな問題であった事がわかります。
何よりこの事件が日本にもたらした影響としては、模倣犯の発生です。
食品の安全というのは、これまでは意図しないところでおきるものという認識が大半でしたが、人為的な事件として連続的に発生するという異例の事態になってしまったのです。
これは、グリコ森永事件のような、自殺者などが被害者として出たものの、直接的に食品に混入された薬物による被害者が出なかった事件とは違い、防ぎようのないものでした。
日本の食品の安全は、徐々に崩壊の足音を聞くことになります。
そして、2000年。
21世紀を目前に控えた日本において、現在の流れを決定付けた事件が発生します。
雪印集団食中毒事件です。
日本における最大級の有名メーカーが、死者を出す食中毒事件を生み出してしまった事で、食品の安全、日本における食の安全神話というものが完全に崩壊してしまいました。
この事件は、北海道の大樹工場が生産していた脱脂粉乳が停電によって病原性黄色ブドウ球菌を増殖させ、それを元に雪印乳業大阪工場で作られた低脂肪乳を飲んだ人たちが食中毒被害にあったというものです。
これによって、大きく流れが変わっていきました。
雪印集団食中毒事件によって、大手メーカー=安全、という図式は崩壊しました。
この事件に伴い、政府は「農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律」すなわち「改正JAS法」が成立し、食品の安全を強化すべく法の整備を行いました。
しかし、これによって食品の安全は守られるどころか、さらに崩壊の道を進む事になります。
決定的な流れを作ったのは、2002年の牛肉偽装問題です。
この偽装というものは、2008年現在においても度々問題となっている、非常に大きな問題であり、体質です。
発端は、またしても雪印でした。
輸入した牛肉を国産の牛肉と偽装し、改正JAS法によって発生した助成金を詐取するという詐欺事件が勃発。
また、この問題は雪印に留まる事はなく、様々な会社の偽装が次々に発覚しました。
この流れは、アメリカから輸入した牛肉が、BSEに感染しているという事から、アメリカの牛肉が信用できないという国民感情の元に牛肉の輸入を制限した事から生まれました。
元々あった体質に、この事件がライトを当てた、といった形です。
この偽装問題によって、表記されている内容が信用できない、大手メーカーだからと言って信用できるわけではない、という猜疑心が国民の間に生まれました。
こういった事件を受け、政府は2003年に食品安全基本法の制定と食品安全委員会の発足を行いました。
しかし、食品の安全の崩壊、偽装の流れを払拭するには至っていません。
2008年12月 2日|
カテゴリー:00食品の安全はいまどうなっているのか
食品の安全に対する意識
食品の安全とは、すなわち命の保護です。
しかし、そういう認識を持っていない人が大半なのではないでしょうか。
多くの日本における消費者は、食品の安全は当然そこにあるものという認識かと思います。
また、販売側から見た場合も、食品の安全とはすなわち「事件にさえならなければいい」という程度の認識であるケースが増えてきています。
つまり、本当は絶対に優先しなければならないものが、どこか軽視されてきていた、というのが現状なのです。
野菜やお肉などを作る生産者の立場の方としては、嘆かわしい事でしょう。
自分の作った物が別の生産地として売りに出されている。
自分達が作り上げてきた信頼を、生産地という表記によって利用されている。
とても残念な事態です。
食品の安全に対する意識は、とことんまで軽くなってしまっていたのでしょう。
最近、ようやくそれが改善されつつあります。
消費者側が、食品の安全を意識的に考えるようになったからです。
もちろん味はとても重要ですが、それはあくまで安全である事が前提としてあるからこそ、こだわれる物。
安全かどうかの確認なんていちいち必要ない、という時代ではなくなってきている以上、消費者側がどんどんアピールしていく事が大切なのでしょう。
売り手に対して健全な意識を持つよう、消費者側から訴えていく事で、食品の安全性を向上する事ができるのです。
ここまでしなければならないのか、とお思いになるかもしれません。
しかし、そこまで実際堕ちているのです。
這い上がらないと、また悲劇が繰り返されるのです。
日本において、食品の安全とは、いつしかあって当然という物になってきていました。
しかし実際には、定期的に食品の安全を疑問視してしまうような問題、事件も起こっていたりします。
たびたび訪れるその問題も、時間と共に風化してきていたのが現状です。
ですが、ようやくここに来て食品の安全について考えるという流れができつつあります。
この時代の流れを消さないためにも、一人一人が食品の安全を脅かした歴史について学ぶ必要があるでしょう。
ここでは、そんな事件の数々についていくつか紹介していきたいと思います。
まず、食品の安全について国内で大々的な問題として取り上げられたのは、1945年に発生したイタイイタイ病です。
これは、富山県の神通川において、三井金属神岡工業所が金属廃液を排出し、その中の成分に人身に有害となるカドミウムが含まれていた事に起因します。
カドミウムを含んだ川の水は下流域にある田畑まで届き、その田畑で作られていた作物、あるいは飲み水を体内に取り込んだ人たちが、骨をゆがませてしまったり、ひびが入ったりするなどの被害に見舞われたのです。
当初は奇病、あるいは原因不明の難病という話も出ていましたが、調査の結果、イタイイタイ病という認定がなされました。
このイタイイタイ病によって、食品の安全の重要性が説かれるようになったかというと、まだそこまでの認識は当時行われていなかったようで、後に同じような意見が勃発していきます。
2008年12月 2日|
カテゴリー:00食品の安全はいまどうなっているのか
高度成長期の食品の安全
日本における食品の安全を著しく脅かした例として、1955~56年の二つの事件は欠かせないでしょう。
まず、1955年に発生した森永ヒ素ミルク事件です。
この森永ヒ素ミルク事件というのは、森永乳業が製造していた粉ミルクに、多量のヒ素が混入していたというものです。
これによって、131名もの死者と、12,000人以上の被害者が出ました。
この事件の原因は、乳製品の溶解度を上げるという目的、そしてコストがかからないという理由によって、工業用ヒ素を触媒として作成された添加物を粉ミルクに添加していた事です。
ヒ素の扱いを誤った為、これほどの被害が出る事態になったのです。
イタイイタイ病同様、当初は奇病扱いされていたようです。
ヒ素中毒は非常に重く、その症状は目を覆うもので、実に数多くの乳児が重度な障害に苦しむ事になりました。
そのすぐ後の1956年には、水俣病も発生します。
水俣病は熊本県水俣市の水俣湾において、チッソ水俣工場がメチル水銀を含む排水を流し、その排水に汚染された魚介類を食した人たちが食中毒被害にあいました。
死者数157名、総被害者数968名。
その死者の数の多さから、大きな問題となりました。
歴史の教科書にも載っているような有名な事件であり病気でもあるので、ご存知の方はかなり多いかと思います。
この水俣病も、日本における食品の安全を考える上で、非常に重要な案件です。
高度成長期にあった日本が食品の安全に重きを置く事はなく、この問題は後々まで長引く事になり、被害者の方々は長期にわたって苦しむ事になりました。
1970年代~1980年代は、高度成長がさらに勢いを増してきており、食品の安全に関しての関心はさらに薄れていた感があります。
それはメディアもそうですし、国民全体にもいえます。
輸入品が当たり前のように並ぶようになり、とにかく安い物、美味しい物を消費していくというのが主流となっていきました。
この頃には、過去の事件や問題に対する意識も薄れ、食品の安全性は確実な物として語られ、安全神話が確立されたという認識がありました。
しかし、1996年に大きな契機となる事件が発生します。
O157食中毒事件です。
1990年でもO157食中毒事件があり、死者も出たのですが、当時はそれほど大きな騒ぎにはなりませんでした。
しかし1996年には岡山、そして大阪の学校給食と、年内に二度発生したという事もあり、非常に大きく取り扱われました。
食中毒という物に対し、大きな関心と警戒が生まれました。
食品の安全を当たり前の物としていたマスコミ、そして日本国民も、ここから少しずつ意識の改革を迫られていく事になります。
特に、小さいお子さんのいる家庭に関しては、注意をしなくてはならないという認識が生まれ始めました。
食品の安全が重要であるというのは、子供に被害が出るということが一番の理由と言えるかもしれません。
まだ身体ができ上がっておらず、抵抗力も少ない子供は、食中毒によって深刻な症状を生んでしまう可能性が高いのです。
また、学校給食のように、一つの鍋の中から多くの人が食すという環境も、子供ならではの物です。
残念な話ではありますが、子供が犠牲になることで、ようやくその重要性に気が付いた、ということです。
2008年12月 2日|
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食品の安全が崩壊した現代の日本
ここ数年、中国産の食品に農薬などの混入があるとされている事件が多発しています。
こういった状況もあって、日本における食の安全神話は崩壊したと言われています。
日本の主要食品自給率は他の主要国と比較し、圧倒的に低いです。
つまり、海外からの輸入に頼っている状況です。
にもかかわらず、輸入品のほとんどがノーチェックで国内に入ってきています。
つまり、食品の安全を考えるには海外からの輸入品をしっかり監視、管理しなくてはならない状況であるにもかかわらず、それを全く行っていないというのが現状なのです。
食品の安全が守られていないというのは、こういったところに現れているのです。
海外からの輸入品に対して、国内ではあまりにも無頓着であるといわざるを得ません。
そして、その流れは徐々に国内生産品に対しても侵食していきます。
ここ数年で、生産地の偽装問題が急増している事は、ニュースを見ている方であればご存知ではないかと思います。
国産と偽り海外の安い食材を用いているという偽装が、様々な分野で行われているのです。
特に、牛肉や鰻などの高級品に関しては、こういった偽装が多いようです。
嘆かわしい事ですが、これが現実といわざるを得ません。
食品の安全に対し、日本はあまりにも無警戒過ぎました。
それが、現在の安全崩壊を生み出したといえます。
今後は、そういった点を見直す方向で政策がとられるようですが、あまり積極的とは言いがたい状況です。
経済自体が危機を迎えている現状においては、なかなか重点的に、とはいかないようですね。
しかし、食品の安全は、最も優先して確保すべき最大のテーマなのです。
食品の安全性について、最近ようやく見直そうという動きが出てきました。
これまで数々の事件によって、海外からの輸入品に対して上がっていた不安と不満の声が、ここに来てようやく届いた、というわけでは残念ながらありません。
アメリカ、中国と、短期間において一度に問題が重なったから、ようやく重い腰が上がったというだけです。
正直、現状ではあまり多くは期待できないという感が否めません。
食品の安全を国に一任するというのは、危険であるといわざるを得ない状況です。
つまり、各家庭、各個人が自分で自分自身、あるいは身内の身体を守るために、食品の安全について学ばなければならない時代と言えます。
その為にはまず、食品の安全の根本的な概念を学ぶ必要があるでしょう。
食品の安全とは、いうなれば命の保障です。
食というのは衣・食・住に数えられるとおり、人間の生活そのものといえます。
特にこの中でも食に関しては、命に関わる問題です。
着る物がなくても住む所がなくても生きてはいけますが、食べる物がなければ生きてはいけません。
つまり、食は生命維持という大きな役割を担っているのです。
食品の安全という概念は、すなわち生命を守るという事です。
これは人間が最も優先すべき事項である事は明白でしょう。
よって、食品の安全という概念は、誰かに委ねるのではなく、人間一人一人がしっかりと把握すべき問題なのです。
生活そのものの基盤であり、命そのものの土台ともいえる食について、各自がしっかり考えるという根本的な姿勢に立ち返る時が来たといえるでしょう。
2008年12月 2日|
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